1月20日、宅地建物取引業法施行規則の一部を改正する省令案等について意見募集の公示がされています(意見・情報受付締切日:2月19日)。

 

今回の改正は、建物状況調査(インスペクション)の活用等を内容とする改正宅地建物取引業法において、国土交通省令で定めるとされている事項を規定するために行われるもので、宅地建物取引業法施行規則及び宅地建物取引業者営業保証金規則の改正を行うものです。

 

このうち、宅地建物取引業法施行規則の改正に関しては、新たに以下の事項を定めるものです。

①建物状況調査の対象部位である建物の構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分の具体的箇所(法第34条の2第1項第4号関連)
②経年変化その他の建物に生じる事象に関する知識及び能力を有する者(法第34条の2第1項第4号関連)
③重要事項として説明する対象となる建物状況調査の有効期間(法第35条第1項関連)
④建物の建築及び維持保全の状況に関する書類の具体的内容(法第35条第1項第6号の2ロ関連)

 

公布予定は平成29年3月下旬となっています。また、施行予定は、施行期日を定める政令により、宅建業法施行規則の改正については平成30年4月1日、宅建業者営業保証金規則の改正については、平成29年4月1日とされています。
(追記:平成29年3月28日付けで公布されました(国土交通省令第13号、「官報」平成29年3月28日付、号外第63号))

 

なお、本件とは別に、改正宅建業法に関しては、「既存住宅状況調査技術者講習登録規程」及び「既存住宅状況調査方法基準」の制定が予定されています(参考:”「既存住宅状況調査技術者講習登録規程」(案)及び「既存住宅状況調査方法基準」(案)の制定に関する意見の募集について”、e-govサイト、http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=155160731&Mode=0)。
(追記:平成29年2月3日付けで公布・施行されました(国土交通省告示第81号及び第82号。「官報」平成29年2月3日付、号外第22号))

 

以下、本件パブリックコメントの国土交通省概要説明資料を引用します。内容及び意見募集の詳細につきましては、e-govサイト(http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=155170301&Mode=0)をご覧下さい。

宅地建物取引業法施行規則の一部を改正する省令案等について

平 成 2 9 年 1 月
国 土 交 通 省
土地・建設産業局
不 動 産 業 課

1.改正の背景

第190回国会において、既存住宅の流通市場を活性化し安全な取引環境の整備を図るため、建物状況調査(インスペクション)の活用等を内容とする「宅地建物取引業法の一部を改正する法律」(平成28年法律第53号。以下「改正法」という。)が成立し、同年6月3日に公布された。
改正法による改正後の宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号。以下「法」という。)では、新たに次の事項を規定した。
(1)法第34条の2第1項第4号
宅地建物取引業者は、既存の建物の売買又は交換の媒介契約を締結したときは、建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事項を記載した書面を依頼者に交付しなければならないこと。
(2)法第35条第1項第6号の2
宅地建物取引業者は、既存の建物の取得者又は借主となる者に対して、当該既存の建物の売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士をして、建物状況調査の結果の概要
並びに建物の建築及び維持保全の状況に関する書類の保存の状況について記載した書面を交付して説明をさせなければならないこと。
(3)法第27条第1項
宅地建物取引業者と宅地建物取引業に関し取引をし、その取引により生じた債権に関し、営業保証金について弁済を受ける権利を有する者から、宅地建物取引業者を除くものとすること。

(1)及び(2)に関する次の事項については、国土交通省令で定めることとしている。
①法第34条の2第1項第4号に規定する建物状況調査の対象部位である建物の構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分の具体的箇所
②法第34条の2第1項第4号に規定する経年変化その他の建物に生じる事象に関する知識及び能力を有する者
③法第35条第1項に規定する重要事項として説明する対象となる建物状況調査の有効期間
④法第35条第1項第6号の2ロに規定する建物の建築及び維持保全の状況に関する書類の具体的内容

また、(3)については、改正法の施行後、供託所において宅地建物取引業者に対し供託物の還付が行われないようにする必要があるが、法第27条第2項により、債権の弁済を受ける権利の実行に関し必要な事項は法務省令・国土交通省令で定めることとされている。

今般、これらについて規定するため、宅地建物取引業法施行規則(昭和32年建設省令第12号)及び宅地建物取引業者営業保証金規則(昭和32年法務省・建設省令第1号)について、所要の改正を行う。

2.概要

2-1.宅地建物取引業法施行規則の改正

(1)法第34条の2第1項第4号に規定する建物状況調査の対象部位である建物の構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分について、次のとおりとする。

①建物の構造耐力上主要な部分
住宅の基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材(筋かい、方づえ、火打材その他これらに類するものをいう。)、床版、屋根版又は横架材(はり、けたその他これらに類するものをいう。)で、当該住宅の自重若しくは積載荷重、積雪、風圧、土圧若しくは水圧又は地震その他の震動若しくは衝撃を支えるもの

②雨水の浸入を防止する部分
ⅰ)住宅の屋根若しくは外壁又はこれらの開口部に設ける戸、わくその他の建具
ⅱ)雨水を排除するため住宅に設ける排水管のうち、当該住宅の屋根若しくは外壁の内部又は屋内にある部分

(2)法第34条の2第1項第4号に規定する経年変化その他の建物に生じる事象に関する知識及び能力を有する者について、次のいずれにも該当する者とする。
①建築士
②国土交通大臣が定める講習を修了した者
③国土交通大臣が定める基準に従って建物状況調査を行う者

(3)建物状況調査のうち、法第35条第1項に規定する重要事項として説明対象となるものは、建物状況調査実施後1年を経過しないものとする。

(4)法第35条第1項第6号の2に規定する建物の建築及び維持保全の状況に関する書類は、住宅に係る次の書類とする。
①建築基準法(昭和25年法律第201号)による確認の申請書及び確認済証
②建築基準法による検査済証
③宅地建物取引業法による建物状況調査の結果の報告書
④住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成11年法律第81号)による既存住宅に係る建設住宅性能評価書
⑤建築基準法による定期調査報告の報告書
⑥昭和56年6月1日以降の耐震基準(いわゆる新耐震基準)に適合したことが確認できる書類

(5)その他、所要の改正を行う。

2-2.宅地建物取引業者営業保証金規則の改正

供託所において宅地建物取引業者に対し供託物の還付が行われないよう、還付の請求における手続について現行の手続に下記の手続を加えることとする。

(1)供託物の還付を受けようとする者は、国土交通大臣に対し、宅地建物取引業者と宅地建物取引業に関し取引をした者がその取引をした時において宅地建物取引業者に該当しないことを確認する書面の交付を申請すること。
(2)宅地建物取引業者と宅地建物取引業に関し行った取引が平成29年3月31日以前にされたものであるときは、供託物の還付を受けようとする者は、国土交通大臣に対し、平成29年3月31日以前にされた取引であることを確認する書面の交付を申請すること。
(3)国土交通大臣は、(1)又は(2)の確認を行ったときは、遅滞なく、確認書を交付すること。
(4)供託物の還付を受けようとする者は、(3)で交付された確認書を供託所に提出すること。

3.スケジュール (予定)

公布:平成29年3月下旬

※施行は、宅地建物取引業法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令(平成28年政令第394号)により、次のとおりとされている。
2-1.宅地建物取引業法施行規則の改正については、平成30年4月1日
2-2.宅地建物取引業者営業保証金規則の改正については、平成29年4月1日

参考

  • ”宅地建物取引業法施行規則の一部を改正する省令案等に関する意見募集について”、e-govサイト、http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=155170301&Mode=0
  • ”「既存住宅状況調査技術者講習登録規程」(案)及び「既存住宅状況調査方法基準」(案)の制定に関する意見の募集について”、同上、http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=155160731&Mode=0