報道等でご案内のとおり、現在「民法(相続関係)等の改正に関する中間試案」に関する意見募集が行われています(意見募集期間:平成28年7月12日~平成28年9月30日)。

【追記】平成28年10月19日、意見募集の結果が公示されています:”「民法(相続関係)等の改正に関する中間試案」に関する意見募集の結果について”、e-govサイト、http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=300080149&Mode=2

意見募集の対象となる中間試案は、法制審議会民法(相続関係)部会の審議結果を中間的に整理したもので、意見募集案内によれば確定的な案ではなく、意見募集の結果を踏まえた今後の審議において更に検討を深めて成案を得ていくことが予定されているとのことですが、相続法改正の論点や方向性を知る上で参考になると思います。

中間試案の概要は以下のとおりです(「民法(相続関係)等の改正に関する中間試案(概要)」(法務省民事局)(http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=300080149&Mode=0)より)。

詳細な内容や関係資料、意見の応募方法等につきましては、後掲の参考サイト(e-govサイト)をご覧下さい。

民法(相続関係)等の改正に関する中間試案(概要)

諮問の内容

高齢化社会の進展や家族の在り方に関する国民意識の変化等の社会情勢に鑑み、配偶者の死亡により残された他方配偶者の生活への配慮等の観点から、相続に関する規律を見直す必要があると思われるので、その要綱を示されたい。(諮問第100号)

審議の経過

平成27年2月  法務大臣による諮問
平成27年4月  部会における調査審議開始
~平成28年6月  計13回の部会開催(1か月に1回程度)
平成28年7月~9月末日  パブリックコメント
平成28年10月  部会における調査審議再開(予定)

議論の内容

第1 配偶者の居住権を保護するための方策
1 短期居住権の新設

配偶者が,相続開始の時に遺産に属する建物に居住していた場合には,遺産分割が終了するまでの間,無償でその建物(以下「居住建物」という。)を使用することができるようにする。

2 長期居住権の新設

配偶者が,居住建物を対象として,終身又は一定期間,配偶者にその使用を認めることを内容とする法定の権利を創設し,遺産分割等における選択肢の一つとして,配偶者に長期居住権を取得させることができるようにする。

第2 遺産分割に関する見直し
1 配偶者の相続分の見直し

現行の法定相続分 ←配偶者の貢献の反映が不十分との批判

(見直しの方向性についての2つの考え)

甲案 被相続人の財産が婚姻後に一定の割合以上増加した場合に,その割合に応じて配偶者の具体的相続分を増やすという考え方。

乙案 婚姻成立後,一定期間(例えば20年,30年)が経過した場合に,一定の要件(例えば当該夫婦の届出)のもとで,又は当然に,法定相続分を増やすという考え方。

2 その他の論点

可分債権の遺産分割における取扱いの見直し

第3 遺言制度に関する見直し
1 自筆証書遺言の方式緩和

財産の特定に関する事項については,自書でなくてもよいものとする。

2 自筆証書遺言の保管制度の創設(遺言保管機関を設ける)
第4 遺留分制度に関する見直し

遺留分権利者の権利行使によって,遺贈又は贈与の目的物について当然に共有状態(物権的効果)が生ずることとされている現行の規律を改め,遺留分権利者の権利行使により,原則として金銭債権が発生することとする。

第5 相続人以外の者の貢献を考慮するための方策

相続人以外の者が,被相続人の療養看護等を行った場合には,一定の要件のもとで,相続人に対して金銭請求をすることができるようにする。

参考サイト

  • 「「民法(相続関係)等の改正に関する中間試案」に関する意見募集」(e-govサイト:http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=300080149&Mode=0)
  • 「「民法(相続関係)等の改正に関する中間試案」(平成28年6月21日)の取りまとめ」(法務省ホームページ:http://www.moj.go.jp/shingi1/shingi04900291.html)