今日は産業廃棄物処理業に関する話題です。

 

昨年11月及び12月に廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)関係の政省令等の改正がありました(参考:「H27年廃棄物処理法政省令等改正について」(神奈川県ホームページhttp://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f534257/))。

 

この改正政省令等のうちの一部が、今月から来月にかけて施行されます。

 

改正政省令等の施行に伴い、

  • 平成28年4月1日以降、廃水銀等の収集運搬業又は処分業を行うには、特別管理産業廃棄物処理業の許可が必要になります(後掲参考資料参照)。
  • また、特別管理産業廃棄物となるカドミウムに関する基準値も引き下げられ、規制が強化されており、平成28年3月15日以降、特別管理産業廃棄物となるカドミウム廃棄物を取扱う場合には、特別管理産業廃棄物処理業の許可が必要となります。

 

特に、前者の廃水銀等に関しては、従来特別管理産業廃棄物とされていなかったため、特別管理産業廃棄物処理業の許可を受けられていない場合もあるのではないかと思いますが、施行日以降に、新たに廃水銀等の産業廃棄物処理を請け負う場合には、特別管理産業廃棄物処理業の許可が必要となります。

また、既に、特別管理産業廃棄物処理業の許可を受けている場合も、施行日以降、廃水銀等を取り扱うには、事業の範囲の変更の許可を受けることが必要となります。

 

なお、産廃処理業以外に関しても、対象となる廃水銀等を生ずることとなった事業所を設置している事業者については、資格を有する特別管理産業廃棄物管理責任者の設置が必要となる場合がありますので(廃掃法12条の2第8、9項、施行規則8条の17第2号)注意が必要です。

 

許可が必要となる場合、許可申請から決定まで相当の時間を要します。改正政省令等のうち、一部は既に施行され、残りの施行日も間近に迫っているものがありますので、対策がお済みでない場合は、今後の業務に支障の生じないよう、至急、対応を検討されることをお勧めします。

 

 

(参考資料)「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令の一部を改正する政令等の施行について(通知)」(環境省ホームページhttp://www.env.go.jp/hourei/add/k050.pdf)

環廃対発第 1512211 号

環廃産発第 1512212 号

平 成 27 年 12 月 21 日

各都道府県・各政令市廃棄物行政主管部(局)長 殿

環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部廃棄物対策課長

産業廃棄物課長

廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令の一部を改正する政令等の 施行について(通知)

 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令の一部を改正する政令(平成 27 年政令第 376 号。以下「改正政令」という。)が平成 27 年 11 月 11 日に公布されたところであり、また、 これに伴い廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部を改正する省令(平成 27 年 環境省令第 40 号)、特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物の処分又は再生の方法と して環境大臣が定める方法の一部を改正する告示(平成 27 年環境省告示第 141 号)及び廃 棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則第一条第二項及び第一条の二第十三項の規定に 基づき環境大臣が定める方法の一部を改正する告示(平成27年環境省告示第142号)等は、 平成 27 年 12 月 21 日に公布され、廃水銀及び廃水銀化合物(以下「廃水銀等」という。) 並びに当該廃水銀等を処分するために処理したものの特別管理一般廃棄物又は特別管理産 業廃棄物への指定並びにその収集運搬に係る処理基準及び保管基準については水銀に関す る水俣条約が日本国について効力を生ずる日又は平成 28 年 4 月 1 日のいずれか早い日から 施行されることとなった。
ついては、下記事項に留意の上、その運用に遺漏なきを期するとともに、貴管内市町村 等に対しては、貴職より周知願いたい。
なお、本通知は、地方自治法(昭和 22 年法律第 67 号)第 245 条の4第1項の規定に基 づく技術的な助言であることを申し添える。

第一 改正の趣旨

平成 25 年 10 月の「水銀に関する水俣条約」の採択を受け、早期にこれを締結し、 条約の趣旨を踏まえた包括的な水銀対策の実施を推進すべく、平成 26 年3月に中央環 境審議会に「水銀に関する水俣条約を踏まえた今後の水銀対策について」が諮問され、 同諮問は循環型社会部会及び関係の部会に対し付議された。これを受け、循環型社会 部会に「水銀廃棄物適正処理検討専門委員会」が設置され、審議が進められ、平成 27 年2月に中央環境審議会会長から環境大臣へ「水銀に関する水俣条約を踏まえた今後 の水銀廃棄物対策について(答申)」(以下「答申」という。)として答申がなされ た。答申では、水銀に関する水俣条約を踏まえた今後の水銀廃棄物対策について、水 銀に関する水俣条約における規定及び我が国が目指すべき方向性並びに我が国におけ る水銀廃棄物の状況を踏まえ、その環境上適正な処理の在り方として金属水銀及び高 濃度の水銀含有物を廃棄物として処分する際の環境上適正な処理方法並びに水銀使用 廃製品の環境上適正な管理の促進方策等、必要な対策や今後の課題が取りまとめられ た。
答申を踏まえ、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和 46年政令第 300 号。 以下「令」という。)、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(昭和 46 年厚生 省令第 35 号。以下「規則」という。)、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則 第一条第二項及び第一条の二第十三項の規定に基づき環境大臣が定める方法(平成 12 年厚生省告示第4号)及び特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物の処分又は再 生の方法として環境大臣が定める方法(平成4年厚生省告示第 194 号。以下「第 194 号告示」という。)等を改正することにより、廃水銀等及び当該廃水銀等を処分する ために処理したもののうち一定ものを特別管理一般廃棄物又は特別管理産業廃棄物に 指定し、その処理基準及び保管基準を規定するとともに、水銀使用製品産業廃棄物及 び水銀含有ばいじん等の処理基準の規定並びに廃水銀等の硫化施設の産業廃棄物処理 施設への指定等を行うものである。
なお、改正政令のうち、特別管理一般廃棄物又は特別管理産業廃棄物に指定された 廃水銀等の収集運搬に係る処理基準及び保管基準については水銀に関する水俣条約が 日本国について効力を生ずる日又は平成 28 年4月1日のいずれか早い日から施行され るが、特別管理一般廃棄物又は特別管理産業廃棄物に指定された廃水銀等及び当該廃 水銀等を処分するために処理したものの中間処理並びに最終処分に係る処理基準、水 銀使用製品産業廃棄物及び水銀含有ばいじん等の処理基準並びに廃水銀等の硫化施設 の産業廃棄物処理施設への指定等については平成 29 年 10 月1日から施行されること から、本通知においては、特別管理一般廃棄物又は特別管理産業廃棄物に指定された 廃水銀等の収集運搬に係る処理基準及び保管基準に係る改正内容及び留意事項につい て示すこととする。

第二 改正の内容

1 特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物への指定(令第1条及び第2条の4関係)

(1)特別管理一般廃棄物への指定
水銀又はその化合物が使用されている製品(以下「水銀使用製品」という。)が 一般廃棄物となったものから回収した廃水銀及び当該廃水銀を処分するために処理 したもの(環境省令で定める基準に適合しないものに限る。)を新たに特別管理一 般廃棄物に指定した。ここでは、市町村等により分別回収された水銀使用製品が一 般廃棄物となったものから回収した廃水銀を想定しており、一般家庭で水銀使用製 品が破損し漏洩した廃水銀は該当しない。
また、環境省令で定める基準は、環境大臣が定める方法により処理したものであ ることとし、同方法として、第 194 号告示第1号に「精製設備を用いて精製した上 で、硫化設備を用いて十分な量の粉末状の硫黄と化学反応させるとともに、化学反 応により生成する硫化水銀について、固型化設備を用いて十分な量の結合剤を加え ることにより固型化する方法」と規定した。
なお、特別管理一般廃棄物に指定された廃水銀及びその処理物は、新たに追加す る処分基準(改正後の令第3条第3号及び第4条の2第2号)に従い、第 194 号告 示第1号で定める方法で処理の上、一般廃棄物として埋立処分を行うこととされて いるところ、上記の処分基準については、平成 29 年 10 月1日から施行されること に留意されたい。

(2)特別管理産業廃棄物への指定
次の①~③に該当する廃水銀等及び当該廃水銀等を処分するために処理したもの (環境省令で定める基準に適合しないものに限る。)を新たに特別管理産業廃棄物 に指定した。

① 特定の施設において生じた廃水銀等(水銀使用製品が産業廃棄物となったもの に封入された廃水銀等を除く。)
次表の施設において生じた廃水銀等であって、水銀使用製品が産業廃棄物とな ったものに封入された廃水銀等を除くものが該当すること。

水銀若しくはその化合物が含まれている物又は水銀使用製品廃棄物から水 銀を回収するための施設
水銀使用製品の製造の用に供する施設
灯台の回転装置が備え付けられた施設
水銀を媒体とする測定機器(水銀使用製品を除く。)を有する施設
国又は地方公共団体の試験研究機関
大学及びその附属試験研究機関
学術研究又は製品の製造若しくは技術の改良、考案若しくは発明に係る試験 研究を行う研究所

なお、表中第一号に掲げる施設において生じた廃水銀等とは、例えば、回収し た時点で廃棄物として取り扱われていなかった水銀が水銀需要の低下等により廃 棄物となったものを想定している。表中第四号に掲げる水銀を媒体とする測定機 器とは、水銀が使用されている備え付けのポロシメータ等を想定しており、水銀 温度計等の水銀使用製品である測定機器は該当しない。表中第五号から第七号に 掲げる施設において生じた廃水銀等は、廃試薬等を想定している。ただし、その 他の廃水銀等(水銀使用製品が産業廃棄物となったものに封入された廃水銀等を 除く。)についても、表に掲げる施設において生じた場合には全て特別管理産業 廃棄物に該当する。

② 水銀若しくはその化合物が含まれている産業廃棄物又は水銀使用製品が産業廃 棄物となったものから回収した廃水銀
水銀若しくはその化合物が含まれているばいじん、燃え殻、汚泥等の産業廃棄 物又は水銀使用製品が廃棄物となったものから廃棄物処理施設等で回収した廃水 銀が該当すること。なお、水銀使用製品の破損により漏洩した廃水銀は該当しな い。

③ 廃水銀等を処分するために処理したもの(環境省令で定める基準に適合しない ものに限る。)
上記①又は②に該当する廃水銀等を処分するために処理したものであって、環 境省令で定める基準に適合しないものは特別管理産業廃棄物に該当すること。
また、環境省令で定める基準は、水銀の精製設備を用いて行われる精製に伴っ て生じた残さであることとした。
具体的には、例えば、廃水銀等を硫化及び固型化したものは特別管理産業廃棄 物に該当し、廃水銀化合物をばい焼施設等により精製した際に生じた残さは特別 管理産業廃棄物に該当しない。

2 特別管理一般廃棄物又は特別管理産業廃棄物の収集運搬に係る処理基準及び保管 基準の追加(令第4条の2第1号及び第6条の5第1項第1号関係)

(1)収集運搬に係る処理基準

① 特別管理一般廃棄物又は特別管理産業廃棄物に指定された廃水銀等について、 廃棄物の飛散流出防止等の特別管理一般廃棄物又は特別管理産業廃棄物の一般的 な収集運搬に係る処理基準に加え、常温で液体であり、揮発するという水銀の特 性に鑑み、以下の基準を設けることとした。

ア 運搬容器に収納して収集し、又は運搬すること。
イ 運搬容器は、密閉できることその他の構造(収納しやすいこと及び損傷しに くいこと)を有するものであること。

② 特別管理一般廃棄物又は特別管理産業廃棄物に指定された廃水銀等の積替え又 は保管に当たっては、特別管理一般廃棄物又は特別管理産業廃棄物の一般的な積 替え又は保管基準に加え、常温で液体であり、揮発するという水銀の特性に鑑み、 以下の基準を設けることとした。

ア 容器に入れて密封することその他の当該廃棄物の飛散、流出又は揮発の防止 のために必要な措置を講ずること
イ 高温にさらされないために必要な措置を講ずること ウ 腐食の防止のために必要な措置を講ずること

(2)事業場の保管場所における特別管理産業廃棄物の保管基準

特別管理産業廃棄物に指定された廃水銀等を排出する事業場において、当該廃棄 物が運搬されるまでの間に保管を行う場合には、廃棄物の飛散流出防止等の特別管 理産業廃棄物の一般的な保管基準に加え、上記②ア~ウの基準を設けることとした。

第三 その他の留意事項

1 特別管理産業廃棄物処理業の許可について

現に産業廃棄物処理業又は特別管理産業廃棄物処理業の許可を有している者が、新 たに特別管理産業廃棄物に指定された廃水銀等又は当該廃水銀等を処分するために処 理したものの処理を改正政令の施行後に行おうとする場合には、特別管理産業廃棄物 処理業の許可又は事業範囲の変更の許可が必要となるため、速やかに所要の手続きを とるよう指導されたいこと。特別管理産業廃棄物処分業の許可又は事業範囲の変更の 許可においては、当該産業廃棄物処分業者又は特別管理産業廃棄物処分業者における 処分方法が、廃水銀等又は当該廃水銀等を処分するために処理したものを適正に処分 できることを確認した上で許可されたいこと。併せて、特別管理産業廃棄物に指定さ れた廃水銀等及び当該廃水銀等を処分するために処理したものに関する新たな埋立処 分に係る処理基準(改正後の令第6条の5第1項第3号)は平成 29 年 10 月1日から 施行されることに留意されたいこと。

2 特別管理産業廃棄物管理責任者の設置について

廃水銀等及び当該廃水銀等を処分するために処理したものが特別管理産業廃棄物に 指定されたことにより新たに特別管理産業廃棄物を生ずることとなった事業場を設置 している事業者は、当該特別管理産業廃棄物に関する業務を適切に行わせるため、規 則第8条の 17 に規定する資格を有する特別管理産業廃棄物管理責任者を置かなければ ならないこと。

3 特別管理産業廃棄物である廃水銀等に該当しないものについて

新たに指定された特別管理産業廃棄物に該当しない廃水銀等の収集運搬及び保管に 当たっては、現行の処理基準が適用されるが、特別管理産業廃棄物である廃水銀等に 準じ、生活環境保全上適正に扱われることが望ましいこと。

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